香典
用意しなければ、表書きはどれを使うの。中身はいくら入れるの。名前はフルネーム。わからないこと多いですよね。地域や宗派によって全く違ったりしています。葬儀に行く途中でコンビニに寄って用意しよう。と思っても香典袋の種類がいろいろあるではないか・・・実際どうすればいいんだろう。
香典の意味を知って困らないようにしましょう。
そもそも香典とは
・・・故人に手向けるお供え物で故人の家族に用意するものです。
不祝儀用の水引を結んだ袋に、現金を包みます
香典には、葬儀への突然の出費に対して、お互い助け合おうという意味もあります。
金額の相場は?
故人との関係によって変わります。
一般的に親族・血縁が近いほど高くなる傾向があるようです。
故人が父母の場合・・・・・3万円~10万円
故人が祖父母の場合・・・・1万円~5万円
故人が兄弟姉妹の場合・・・3万円~5万円
故人が叔父叔母の場合・・・1万円~3万円
※ご自身の年齢が若い場合(10代~20代)は無理に高額を準備しなくても大丈夫です。
ご自身の年代に応じて準備するのがよろしいです。
故人が友人や会社関係者の場合・・・5千円~1万円
あくまで一般的な相場ですので、故人との関係性を踏まえた上で参考にしてください。
会社の場合は社内ルールで3千円で返礼品は不要とか決めていることもあります。
特に相手から頂いたことがある場合は、同等の金額を用意するのが礼儀です。必ず確認してから用意しましょう。
香典袋の選び方は?
不祝儀袋と呼ばれる水引(袋の飾り紐)の色が黒白の物が一般的です。
ただし金額・地域によっては黒白以外の水引も使われる事があります。
※水引の結い方も種類があり、主に結び切りとあわじ結びが使われています。
どちらも同じ事が起きない様、一度で終わると言う意味合いで使われています。
結い方が分からなくても、結ってあるので心配ご無用です。
表書きの書き方は?
故人・喪家の宗教により変わり、表書きには薄墨を使って書くのが作法とされています。
※コンビニ等で売っている筆ペンでも大丈夫です。サインペンでもよろしいかと、ある程度太い方が立派です。
仏式・・・「御霊前」「御香典」「御香料」「御仏前」
※浄土真宗では「御霊前」は使用しません、「御仏前」等を使用します。
とは言われていますが、通常訃報の案内には“〇〇宗で行います”と表記されていることはありませんので、葬儀の場合「御霊前」で大丈夫です。
「御仏前」は仏様へのお供えですので四十九日以降に用います。
神式・・・「御霊前」「御玉串料」「御榊料」「御神前」
※神式での水引の色は黄白を用いる方が多いです。「御霊前」を用いる場合は黒白で構いません。こちらも、訃報の案内で“神式で行います”と表記されていることはありません。
キリスト教・・・「御霊前」「御花料」「御ミサ料」
※プロテスタントでは「御霊前」は使用しません。
仏式、神式と同様、訃報の案内で“キリスト教で行います”と表記はありません。キリスト教の方でないと、カトリックとプロテスタントの区別は分かりません。教会で葬儀が行われても「御霊前」を用意すれば大丈夫です。
宗教がわからない時は「御霊前」
一般的ですが、浄土真宗・キリスト教のプロテスタントでは使用しません。宗教が葬儀の参列前に分かるのは親しい近い方だけです。ということで「御霊前」は万能ですので、安心してご利用ください。
中(内)袋の書き方は?
表書きとは違いボールペン等を使用しても大丈夫です。
中袋の表面には香典の金額を、裏面には住所や氏名を書きましょう。
※金額を書く時は縦書き・横書きどちらでも大丈夫ですが、
「金壱萬圓」といった旧字体で中央に書く様にしましょう。
1=壱
2=弐
3=参
5=伍
6=陸
7=漆
8=捌
10=拾
1,000=仟
10,000=萬
※4や9は死や苦をなので香典の金額に使用するのは避けましょう。
3万円より4万円の方が頂いた時、うれしいですよね。でもやめておきましょう。
裏面の住所や氏名は左下部に書き、郵便番号や電話番号を記載する事で、
御遺族が返礼品等を送る場合の負担を軽減する事ができます。
中(内)袋が無い場合は、香典袋の裏面の右側に金額を、
左下に住所・郵便番号等を記入しましょう。
香典の包み方は?
袱紗(ふくさ)で包みます。
ポケットがある袱紗はそのまま香典袋を入れます。
風呂敷上のものは、ひし形に広げ中央より少し右寄りで香典袋を置き、
「右⇒下⇒上⇒左」とたたんで包みましょう。
これをハンドバックもしくは上着の内ポケットに納めお持ちください。
お金の入れ方は?
肖像(福沢諭吉等)が印刷されている側が底面(裏側)になる様入れ、
枚数がある場合はお札の向きを揃えるのが望ましいです。
※香典には新札より旧札を使うのが望ましいです。
新札しかない場合は一度折り目を付けてから包むと良いでしょう。
渡すタイミングは?
お通夜・葬儀場で渡す場合
受付で係りの方にお悔やみの言葉を掛けてから、袱紗から香典を取り出し、
係りの方から見やすい向きを意識して袱紗の上に載せ渡します。
※お通夜・葬儀両方で2度渡すのは作法としてよくありません、
必ずどちらかで渡すのが正しい作法とされています。
葬儀後に渡す場合
まずは喪主(遺族)にお詫びしてから弔問に伺いたい事をお伝えし日程を調整してから伺いましょう。
郵送で渡す場合
遠方等の理由で葬儀等に参加できない場合は香典を郵送で送ることも可能です。
香典袋を現金書留の袋で包み送りますが、お悔やみのお手紙を添えるのが望ましいでしょう。
香典を代理で依頼?
香典を代理で持って行ってもらう事は可能です。
いくつかの注意点がありますので注意しましょう。
まずは参加できない旨を喪主(ご遺族)にお伝えしましょう。
※具体的な理由ではなく「諸事情により」等明確な理由を伝えない方が良いでしょう。
ご親族は葬儀でバタバタしている場合が多いので、規模の大小により判断しましょう。
代理で香典を持って行ってもらう場合は、受付の記帳所で自分の住所・名前の書き方を
伝えておきましょう。
香典(不祝儀袋)や袱紗も自分で用意して代理人に渡しましょう。袱紗でなく、購入したときのビニール袋を利用されている方も多くいらっしゃいます。
代理人は記帳所で出席するはずだった方のフルネームや住所を記帳し左横に(代)と書きます、
配偶者の場合は(内)と書きます。
代理人は預かった方の分も記帳しなければなりませんのでご注意ください。
また、香典を預かった方の分の香典返しと会葬御礼品を受け取る事を忘れないようにしましょう。
※預かった香典はまとめるのはやめましょう、出席できなかった方々や施主(喪主)に
ご迷惑が掛かってしまします。
香典の名前の書き方は
表面の水引の下にフルネームで自分の名前を書きます。名字だけだと誰だかわからない場合もでてきます。
連名の香典は?
会社等で社員一同等の連名で香典を出すケースがあります。
香典袋に名前を書く場合は、右側から序列の高い人順に書いていきます。
(五十音順の場合もあります)
連名数が多い場合(3名以上)は別紙に名前と金額が記載されたものを同封すると良いでしょう。
香典を入れ忘れてしまった場合、入ってなかった場合?
不祝儀袋は表書き、中書き等を準備して安心して香典自体を入れ忘れてしまう事は
意外に多くあります。
お通夜・葬儀当日に受付の会計係が金額を確認する「香典開き」にて中身が入って無かったと
分かればそこで対応可能ですが、式後、自宅に戻ってから入れ忘れたと気が付いた場合は、
喪主(ご遺族)に連絡を入れてから、改めて香典をお渡ししましょう。
また、御遺族側があとから香典が入っていないのを気付いた場合は相手側から連絡が来るまでは連絡するのは控えましょう。故意に入れなかったとは思えませんのでこの場合は、
記載されている金額を受け取ったものとして香典返しをするのがよろしいでしょう。
この場合香典返しはお礼状だけ送ることもあるのですが、相手が中身を入れ忘れたことに
気付いていない場合、品が無い事を失礼と感じてしまうかもしれません。
そのため、思いを頂いたとして香典返しを送るのが良いでしょう。
直接お会いする機会があるようでしたら、一言お声掛けしても良いでしょう。ご本人も気づいている場合も多く、入れ忘れていましたとも言いにくいですので。
香典返し時期は?
仏式の場合は四十九日明けてから1ヶ月以内に行う後日返しが一般的ですが、
最近ではお通夜、葬儀で香典を頂いた時にお返しする即日返しをされる方も多くなっています。施主側としては非常に楽になります。
この場合、予め品物を用意してありますので、高額の香典を頂いた方には改めて香典返しを行います。
主な宗派の香典返しの時期
仏式
・・・四十九日法要後~1ヶ月以内
※浄土真宗は初七日から数えて1ヶ月以内に香典返しを行うとされています。
神式
・・・神式の忌明けの五十日祭で渡すことが多い様です。
※神式では香典ではなく「御神饌料」となり、御神饌料のお返しとなります。
キリスト教
・・・プロテスタントは1か月後の昇天記念日、カトリックは30日後の
追悼ミサが忌明けとなりお花料のお礼としてお返しするようです。
無宗教の場合
は時期を気にせず送っても大丈夫ですが、気になる方は他宗派の時期を
参考にすると良いかもしれません。
お返しの時期がお正月と被った場合は1月4日以降に送るよう、配慮します。
香典返しの相場は?
地域によって差はありますが、一般的には東日本は頂いた金額の半額(半返し)
西日本では3割(3分の1返し)とされています。
香典について記載致しました。このウンチクを知って葬儀に会葬すればマナーは完璧です。
不祝儀袋は「御霊前」を用い、1万円をつつみ、袱紗にいれて持参すれば全く問題なく参列できるでしょう。